神社をたくさん巡ってると、いろいろと出てくる小さな疑問。
この記事では”神宮””大社””神社”” 宮”の違いについて、出来る限り専門用語を使わずに解説します。
違いがわかると、神社めぐりが10倍楽しくなりますよ^^


もくじ
「神社、大社、神宮、宮」の違いは?

「神宮」の意味は?神社との違いは?
〇〇神宮は、一言で言うと「皇室とゆかりの深い神社」
神社にまつられている神さまをご祭神と言いますが、
「皇族の祖先」や、「皇族」がご祭神として祀られている神社が「神宮」になります。
ちょっと例を見てみましょう。
神社名 | まつられている神様 |
伊勢神宮 | 天照大御神(天皇の祖先とされる、日本人にとって最も尊い神様) |
明治神宮 | 明治天皇・昭憲皇太后 |
平安神宮 | 桓武天皇(794年に平安京に都を移した天皇)・孝明天皇(明治天皇の父) |
橿原神宮 | 神武天皇(日本の初代天皇) |
熱田神宮 | 三種の神器の1つ草薙神剣をご神体とする天照大御神(熱田大神) |
ちなみに伊勢神宮の正式名称は「神宮」
単に「神宮」と呼ぶのであれば、伊勢神宮のことを指します。
神社界にとって伊勢神宮は別格の存在です。
現在では「◯◯神宮」はたくさんありますが、古来から神宮を名乗ることが出来たのは全国で三社のみ。
・伊勢神宮(三重県)
・鹿島神宮(茨城県)
・香取神宮(千葉県)
なぜ鹿島神宮と香取神宮は、別格の伊勢神宮と並んで「神宮」を名乗れたのか?
これについては、↑別の記事で^^


「大社 (たいしゃ) 」の意味は?神社との違いは?
〇〇大社は、主に全国にある神社の総本社や、社格(戦前にあった神社の格付け)が高かった神社(旧官幣大社や 旧 国幣大社)
例を見てみましょう。
神社名 | |
全国にある◯◯稲荷神社の総本社 例)三光稲荷神社(愛知県)/笠間稲荷神社(茨城)/祐徳稲荷神社(佐賀県)など |
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全国にある◯◯住吉神社の総本社 例)筑前一之宮 住吉神社(福岡市) |
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熊野本宮大社(和歌山) | 全国にある◯◯熊野神社の総本社 例)自由が丘熊野神社(東京都)/川越熊野神社(埼玉)/新宿十二社熊野神社(東京都) |
全国にある◯◯春日神社の総本社 例)三田春日神社(東京都) |
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全国にある◯◯諏訪神社の総本社 例)結城諏訪神社(茨城県)/駒木諏訪神社(千葉県)/新宿諏訪神社(東京都) |
ちなみに「大社」という社号も先ほど伝えた「神宮」=「伊勢神宮」と同じく、
昔は「大社」=「出雲大社」(正式名は”いずもおおやしろ”)のことでした。
出雲大社も神社界では、大御所的な存在!
↑全国に約3000社ある◯◯熊野神社の総本社で世界遺産の熊野本宮大社(和歌山)


「宮 (みや、ぐう) 」とは?
〇〇宮は、(神宮と似ていて)身分の高い人や、皇族をおまつりしている神社。
(宮の語源は身分の高い方が住む所、御屋からきている説が有力だとか)
その他、歴史的な重要人物をまつる神社にも「宮」が使われています。
神社名 | まつられている神様 |
鎌倉宮(神奈川県) | 護良親王(後醍醐天皇の三男) |
井伊谷宮(静岡県) | 宗良親王(後醍醐天皇の四男) |
東照宮 | 徳川家康を祀る神社。総本社は日光東照宮 |
天満宮 | 学問の神様、菅原道真を祀る神社。 総本社は太宰府天満宮(福岡県)・北野天満宮(京都) |


東照宮とは?
東照宮は、江戸幕府を開いた徳川家康公をおまつりする神社のこと。
徳川家康は死後、「東照大権現」という神としてまつられます。東照宮は全国各地にあります。


天満宮とは?
◯◯天神、◯◯天満宮という名称の神社は、学問の神様「菅原道真公」がまつられている神社。
全国に約12000社あるとされています。
(太宰府天満宮とコラボした御朱印帳)
◯◯天神・天満宮の御祭神 菅原道真に興味がある人にオススメなのが、人気漫画『応天の門』。平安時代の京都で起こる謎の事件を若き菅原道真&イケメン在原業平が解決していくストーリー。東京大学史料編纂所の本郷和人さんが監修を行っていて、菅原道真のことや、平安時代の歴史も楽しく学べます。第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作。


八幡宮と神社の違いは?
〇〇八幡宮、〇〇八幡神社といった名称もあります。
八幡宮は全国各地に約44000社あり、日本で一番多い神社と言われています。
〇〇八幡社・八幡宮は、八幡大神をおまつりする神社です。
・比売大神(ひめおおかみ)
・神功皇后(じんぐうこうごう)応神天皇の母
上記のご祭神を総称して「八幡大神」として祀っています。
・開運・厄除・出世の神様
「第15代応神天皇」は、”実在する最初の天皇”とも言われる天皇。
なぜ応神天皇が八幡になったのか?に関しては諸説あり、明らかにはなっていないようです。
八幡宮は東大寺(奈良の大仏)の守護神としても鎮座。
「八幡大菩薩」と呼ばれていました。
日本古来の神さま&外国から来た仏さま(仏教)を結びつけた信仰を「神仏習合」といいますが、八幡宮は神仏習合のさきがけになったとされています。


「神社」とは?
実は江戸時代までは「神社」と「お寺」は明確に別れていませんでした(神仏習合)
「◯◯権現、◯◯明神」などと呼ばれていた場所を、明治時代にお寺と神社を明確に別け「◯◯神社」という呼び名で統一。
まとめ
神宮・大社・宮などの名称の「一定の基準」を紹介しました。
(ぶっちゃげ上記基準に当てはまらないケースもあります・・汗)
神社を訪れる時は、その神社の歴史や、そこにいらっしゃる「神様」のことに注目^^


■初心者のための御朱印ガイド














・〇〇神社
・〇〇大社(出雲大社、春日大社など)
・〇〇神宮(伊勢神宮、明治神宮など)
・〇〇宮(筥崎宮、水天宮など)
・◯◯八幡宮(鶴岡八幡宮、石清水八幡宮など)
という感じでたくさんの呼び方がありますよね。